オキシトシン|幸せホルモンのダークサイドに飲み込まれる
以前に、『幸せホルモンを出しまくる結果|魅力満載な男になるのである。』という記事を書いた。
しかし、コインの裏表の様に。。。
光が強ければ強いほど、そこには暗い影が落ちるものなのである。
今回のこの記事を読めば、幸せ三姉妹の次女である『オキシトシン』[a]公益財団法人 テルモ生命科学振興財団オキシトシン[b]wikipedia|オキシトシンの裏の顔が判りますのでしっかり持って帰って下さい。
それでは、本日もよろしくお願いします。
オキシトシン(愛情ホルモン)の裏側
オキシトシンは、恋愛中の男女のスキンシップや
母子のスキンシップはもちろん授乳中にも大量に分泌する。
分娩中にも分泌され、膣の収縮も促進させる役割をももつ。
出産日が近い妊婦さんが、何らかの理由でオキシトシンを分泌する行動を取ってしまうと予定日が早まるなんて事も起こり得ると言われている。
家族や近しい人に限らず、愛国心はもとより
自身が所属してきたコミュニティや土地などに愛着を持つのもオキシトシンの作用だと言われている。
さて、幸せホルモン三姉妹の三女であるドーパミンは報酬系と言われている。
快楽を感じるため脳がそれを欲する事により依存症に発展する。
そういった裏の顔を持っている事はお馴染みであるが、
オキシトシンも違った視点でダークサイドな一面があるのである。
裏の顔を暴く実験
先に断っておくが、愛情や信頼があるからオキシトシンが分泌されるのではなく
ある行動や刺激によってオキシトシンが分泌される事によって、愛情や絆を感じるのである。
1月10日付けの『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載された論文によると、たとえば、「暴走列車から5人の命を救うために1人を犠牲にすることは許されるか」などといった道徳的ジレンマの解決を求められた場合、オキシトシンの匂いを嗅いだオランダ人男性は、嗅いでいない被験者の場合に比較して、自国民のほうををアラブ人やドイツ人よりも優先して助けることが多かったという。
「オキシトシンに関するこれまでの研究は、バラ色の楽観的なイメージを作るものだった。しかしわれわれは、進化を生き抜いて来た人間の神経システムが、人に、見境無く他人を愛するようにさせるという見方は奇妙だと考えた」と、アムステルダム大学のCarsten De Dreu教授は語る。「今回の研究で、オキシトシンの影響下では、同じグループに属する仲間への優遇が増えることを確認できた。これは、裏を返せば、自分のグループに属さない人を排除することでもある」
wired.jp
教授が気付いた通り、オキシトシンが分泌されることによって無条件に愛情や絆を感じるのは不自然だということ。
オキシトシンが分泌されれば、この世界から争いなんぞ無くなりそうなものだが
何事、過ぎたるは及ばざるが如しなのである。
『可愛さ余って憎さ百倍』とは違って、今回のケースではエスノセントリズム[c]wikipedia|エスノセントリズムと言う事なのだ。
あるモノを愛したり執着するがゆえに、そのコミュニティ外のモノは排除しようとする心理になってしまうのである。
学生でも社会人でも仲間外れは無くならないのは
こういった部分も多いにアルかもしれない。(これに関しては他の心理も働くため一概にオキシトシンだけの問題とは言えない。)
しかしながら、オキシトシンの匂いを嗅ぐだけで行動が変わってしまうということは由々しき事態である。
オキシトシンと免疫力|むやみに増やすのは考えもの
もちろん『幸せホルモンを出しまくる結果|魅力満載な男になるのである。』でも書いているがオキシトシンには有り余るポジティブな効果がある。
- 人に対して温かい気持ちになれる
- 多幸感に包まれる
- 癒しの機会が増え、ストレスが緩和する
- 不安や恐怖心が緩和する
- 周りの人への信頼感・絆が増す
- 自己肯定ができるようになり、自信に繋がる
- 好奇心が強まり、人との交友関係が広がる
- 学習意欲と記憶力向上
- 感染症予防につながる
- 痛みの緩和
- 自律神経を整え情緒を安定させる
ダークサイドはもとより、これだけ良い影響があるのならば積極的に分泌させたいものである。
自閉症を軽減させるために、「オキシトシンスプレー」なる物があるがオススメはできない。
あくまで自閉症改善のためであって健康な人が使用すると?
分泌量は制御されている。
日常の行動や考え方で、オキシトシンの分泌量は人それぞれだけど
何事バランスなのである。ポジティブな面が多いからたくさん分泌させれば良いというものでもない。
分泌をある程度は自身でコントロールしているのである。
それを、外因的にオキシトシンを増やし過ぎると
体内ではいつも多いから分泌をするのをやめようという判断になるのである。受容体が変化してしまうと後々回復するのが難儀になってしまう。
総括
これまで、幸せホルモンであるオキシトシンの裏の顔を考察してきました。これは分泌量が多い少ないでダークサイドが垣間見えるわけではないのです。
ダークサイドの部分が有るということを心の片隅に留めて解くことで、自身がダークサイドに堕ちそうな時に引き止める一助となるやもしれません。
基本的には、オキシトシンが分泌するような行動を取るのが望ましいのです。
愛情深いことは、とても良いことですが
相手との距離感・温度差というものを認識できないと
せっかくの貴方の愛情もネガティブとして伝わってしまいます。
それはそれは、とても悲しい事です。
人は、気づくと自分本位に立ち回ってしまいますが
いつも意識して、相手の立場を考えていったん立ち止まって見ることも大切かもしれません。
正義は十人十色です。
では
References